作並温泉・秋保温泉

2020/01/31

賑わい仙台

作並温泉〜湯けむりに漂うロマンあふれる伝説。広瀬川の上流に湧くやさしい癒しの湯。

写真提供:宮城県観光課

仙台市中心部から山形県山形市に至る国道48号(宮城県側は作並街道、山形県側は関山街道とも呼ばれる)を通り、車で約40分。道端に建つ大きな伝統こけしが迎えてくれる作並温泉(仙台市青葉区)は、秋保温泉と共に「仙台の奥座敷」と呼ばれ、人びとの心と体を温めてきました。

広瀬川上流に湧く作並温泉には2つの開湯伝説があります。ひとつは奈良時代、高僧・行基がこの地に立ち寄った折、仏法僧の鳴き声に誘われて森に入り発見したというもの。また、鎌倉時代、奥州合戦に向かう途にあった源頼朝が、傷ついた鷹が湯浴みをして元気を取り戻す姿を見て効能に気付き、自らも英気を養ったという伝承もあります。

開湯は1796(寛政8)年。深山幽谷に埋もれている作並の湯を、多くの人と分かち合いたいと考えた岩松寿隆(喜惣治、『鷹泉閣岩松旅館』の祖)が藩に直訴。仙台藩8代藩主・伊達斉村からの許しを得、8年もの歳月をかけて湯浴みができるように整えたといいます。

少し足を延ばせば、「奥新川」、「鳳鳴四十八滝」といった景勝地、山容がゴリラの顔に見えるという「鎌倉山」、さらに見学が可能な「ニッカウヰスキー仙台工場・宮城峡蒸溜所」もあり見どころ多彩。また、最近、若い女性を中心に第三次ブームを呼んでいる伝統こけし(作並系)の工房もあり、絵付けも体験できます(平賀こけし、要予約)。

アクセス
「仙台国際センター駅」から地下鉄東西線・荒井行に乗車、「仙台駅」下車→仙台市営バス乗り換え「作並温泉元湯」方面乗車、「作並温泉入口」まで約60分。
バスは1時間に1本程度。ホテル・旅館を利用される方向けに送迎サービスがある場合も。
詳細は各施設にお問い合わせください。
公式サイト
作並温泉旅館組合
http://www.sakunami-spa.com/
秋保温泉〜開湯1500年の歴史ある湯の里に、新しい息吹。立ち寄りスポットが続々登場。

写真提供:宮城県観光課

長野県の別所温泉(信濃御湯)、野沢温泉(犬養御湯)とともに「日本三御湯」に数えられる秋保温泉(仙台市太白区)。その歴史は古く、第29代欽明天皇(539?-571?年)の皮膚の病を治したことから皇室の御料温泉のひとつに位置づけられたのだといいます。また、鳴子温泉(宮城県)、飯坂温泉(福島県)と並ぶ奥州三名湯でもあります。

平安時代から戦国時代にかけて、秋保温泉の「湯守役」を務めていたいたのが佐藤家(『ホテル佐勘』の祖)。伊達政宗が仙台を開府したのちは、伊達家の御殿湯が整備され、政宗もしばしば療養に訪れたといわれています。

仙台中心部から車で約30分の距離にあり、大規模コンベンションルームや高級スイートルームなどを備えたホテル・旅館も多いことから、社員旅行や宴会、賓客接待で賑わいを見せています。近年では旅行スタイルの多様化に対応し、低コストで気軽に宿泊できる宿も登場しています。

秋保エリアには、迫力ある奇岩が続く「磊々峡」や「二口渓谷」、国の名勝に指定される名瀑「秋保大滝」、「天守閣自然公園」など自然豊かな景観のほか、工芸品やアートの鑑賞、制作体験ができる「秋保工芸の里」、「ガラス工房」、「仙台万華鏡美術館」など立ち寄りスポットもたくさん。2015年12月には「仙台秋保醸造所(秋保ワイナリー)」がオープン、おしゃれなカフェも次々と登場し、新しい魅力を発信しています。

アクセス
「仙台国際センター駅」から地下鉄東西線・荒井行に乗車、「仙台駅」下車→宮城交通に乗り換え「秋保温泉」方面乗車、「秋保温泉元湯」まで約60分。
土日祝日には約30分で到着する「快速秋保線」が運行されます。いずれも本数が少なく、運休期間もあるので、事前に調べてからご利用ください。
仙台駅前と川崎町を結び、主要な宿泊施設を回るバス「仙台西部ライナー(タケヤ交通)」は完全予約制です。
公式サイト
秋保温泉旅館組合
http://www.akiuonsenkumiai.com/