一番町/三滝山不動院
2019/09/09
昭和30~40年代の高度経済成長期、仙台っこの間では、おしゃれをして「一番町」に繰り出す“番ブラ”という言葉が使われていたそうです。一番町は今も昔も仙台だけではなく、東北一円で最も華やぎのある商店街として知られています。
一番町は東北大学片平キャンパスに隣接する一丁目を南の起点にし、二~三~四丁目が、まっすぐ北(定禅寺通)まで延びる道です。二~四丁目まではアーケード付の歩行者専用道路になっています。三丁目には今年、創業200年を迎えた地元の百貨店「藤崎」本館が、また四丁目には1933(昭和8)年に開業した仙台三越があり、両雄が競い合い、また時にはコラボレーションして一番町の盛り上げに尽力しています。
最近では、仙台駅周辺の新しい商業施設が話題を集めていますが、昔ながらの横丁と欧米のラグジュアリー・ブランドがさりげなく共存しているのは、一番町ならではの魅力といえるでしょう。
アクセス
地下鉄東西線「国際センター駅」から荒井行に乗車、「青葉通一番町駅」下車(2駅、大人200円、交通系ICカードで支払可)、出口からすぐ。
写真提供:(公財)仙台観光国際協会
「一番町アーケード大町広場」から仙台駅方面へ。東二番町通を渡り、「クリスロード商店街」に入ります。しばらく歩くと左手にかわいらしい山門が見えてきます。市民から「みたきさん」と親しまれる三滝山不動院です。開山は1865(慶応元)年、大日大聖不動明王をご本尊様とする真言宗智山派の加持祈祷の専門寺院です。また、福の神として知られる「仙台四郎」を祀っていることでも知られています。
仙台四郎は、江戸時代末期から明治時代にかけて実在した人物。知的なハンデキャップがありましたが、いつもニコニコと街を闊歩していました。いつしか彼が抱いた子どもは丈夫に育ち、立ち寄った店は必ず繁盛すると評判になり、人気者に。今でもそのご利益にあやかろうと、肖像写真や四郎の姿をかたどった置物などをお祀りする企業や店舗も多くあります。愛嬌のある表情に心も和む元祖キャラクター、ぜひお見知りおきを。
アクセス
地下鉄東西線「国際センター駅」から荒井行に乗車、「青葉通一番町駅」下車(2駅、大人200円、交通系ICカードで支払可)、北1出口から徒歩約6分。間口が狭く、うっかり見逃してしまうこともあるのでご注意を。